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7月19日(木)
特別テクニカルセミナー「デジタルシネマ最前線」
CineAltaカメラのフラッグシップモデル「F65RS」が登場


来場者の注目を最も集めていたのは専用ポータブルレコーダー「SR-R4」を背面に装着したCineAltaカメラのフラッグシップモデル「F65RS」

 デジタルシネマの可能性を広げる役割を担う本映画祭では、最新技術を紹介するセミナーも重要な役割を担っている。今回は19日(木)にテクニカルセミナー「デジタルシネマ最前線」(主催:株式会社デジタルSKIPステーション、協力:ソニービジネスソリューション)として開催され、「F65RS」や「NEX-FS700JK」といったソニー製の最新機器が実機展示された。



「F65RS」の製品概要や編集ソフトの最前線などが詳細に説明された

 映像制作者を中心とした来場者の目を最も引いていたのは、CineAltaカメラのフラッグシップモデル「F65RS」だ。スーパー35mmサイズ、総画素数2000万画素の8K 単板CMOSイメージセンサーを搭載した最新モデルとして、今年1月に発売された。モデル名の「RS」は「ロータリーシャッター」の略となり、CMOSセンサー特有のローリングシャッター問題(高速で動く被写体を撮影した際に歪みやひずみが生じる現象)を防止する新開発機能を指す。これにより、より自然で美しい画質のデジタル映像を撮影することができるとしている。


 現在、高画質の標準とされているのはフルHD(フルハイビジョン)だが、4Kはこの4倍の画素数を示している。「F65RS」に搭載されたセンサーはこの更に倍の8Kとなり、実際に吸い出されるデータは4KだがRAWデータ(圧縮をかけない状態のデータ)での取り扱いができるため、圧倒的な高画質での撮影が可能になるとしている。また、データの保存先である専用ポータブルレコーダー「SR-R4」をカメラ本体に装着することができ、「F65RS」で撮影された120コマ/秒のハイフレームレートの記録も実現できるとした。


 現在はこのカメラを実際に使用した作品として、M・ナイト・シャマラン監督の『After Earth』やトム・クルーズ主演『OBLIVION』(共に2013年公開予定)などの制作が進められている。アメリカを中心とした北米で高い注目を集めているカメラだけに、スクリーン上でその高画質を目にする機会は今後多く訪れることだろう。また、日本ではすでにCM撮影に使用されていることもこのセミナー上で報告された。



今年6月に発売された「NEX-FS700JK」は、これまで大型カメラが必要だった10倍以上のスロー撮影を小型ボディで実現する

 今年6月に発売されたばかりの「NEX-FS700JK」は、これまで大型カメラが必要だった10倍以上のスロー撮影を可能とする小型カメラとして発表された。レンズ付属モデルで希望小売価格840,000円と抑えた価格設定もまた魅力とされている。さらに、総画素数1160万画素の4Kスーパー35mm CMOSセンサー搭載により、10倍のスロー撮影時はフルHDでの撮影も可能。現在のところ4Kでのデータ抽出は不可とされているが、今後の対応が期待されるモデルだろう。


 この他、デジタルカメラ「PMW-F3」とポータブルレコーダー「SR-RI」の実機展示では、SRメモリとS×S(エスバイエス)メモリの2種に同時記録できるという特徴がアピールされていた。これにより、本番用のデータとオフライン編集用のデータを同時に記録できことから、制作現場の利便性が向上するとしている。


 今後もますます発展を遂げるであろうデジタルシネマ機器の数々。実機を目にすることができる貴重な機会として、来場者はそれぞれ活発な質問を投げていた。これらの機器を用いて、更に素晴らしい映像作品が生み出されることを期待したい。

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