SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017

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【デイリーニュース】 vol.09 『アニメーション』 Q&A 『Candy.zip』『Birth-つむぐいのち』『デキモン』『I think you're a little confused』『竹田駅メモリーズ』『ももちゃんのねこ』

表現方法に加え、素材感も楽しめる珠玉の10本が勢揃い

左から『デキモン』の森永大貴監督、『Birth-つむぐいのち』の若見ありさ監督、『ももちゃんのねこ』の今林由佳監督、『竹田駅メモリーズ』の浜村満果監督、『I think you're a little confused』の小川育監督、『Candy.zip』の見里朝希監督

 

アニメーション』部門(国内コンペティション)の第1回上映が17日(月・祝)、多目的ホールにて行われた。今年は40本のエントリーのなかから、ドキュメンタリーアニメーションやストップモーション、コラージュといった多彩な表現方法に加え、プラバン、ラテックス、色鉛筆、砂といった素材感も楽しめる10作品が選ばれた。

 

上映後のQ&Aには、『Candy.zip』の見里朝希監督、『Birth-つむぐいのち』の若見ありさ監督、『デキモン』の森永大貴監督、『I think you're a little confused』の小川育監督、『竹田駅メモリーズ』の浜村満果監督、『ももちゃんのねこ』の今林由佳監督の6監督が登壇。独自性のある素材や手法を取り入れた理由や制作背景に関して答えた。

 

同僚の策略でキャンディーにされてしまう内向的な会社員を描いた『Candy.zip』。透過性のあるプラバンを効果的に用いてキャンディーのように見せる工夫が可愛らしく斬新だ。見里監督はプラバンを選んだ理由として、「(制作時に)たまたまプラバンに興味があったため、それを元にアニメーションとして表現できないかということを考えて選択しました」と返答。そして素材表現を深めるべく、「今回は物語ではなく、素材を先に決めて、徐々に世界観を決めていくやりかたを試しました。なぜなら作品の素材に物語の必然性を持たせたかったからです」と解説してくれた。

 

出産をテーマにしたドキュメンタリーアニメーション『Birth-つむぐいのち』の若見監督は、「実写では描きづらく、知っているようで実はあまり知られていない出産について、広い世代に見てもらえうようにアニメーションにしました」と制作背景を説明。本作は「はじめまして lovely to meet you」「ありがとう Thank You」「水の中の妊婦」の3本のオムニバス形式となっており、若見監督は「水の中の妊婦」を手がけている。同作は砂絵のストップモーションアニメなのだが、その手法を採用した理由は砂絵が持つ不可逆性だという。「私自身が妊娠8カ月くらいのときに実写のドキュメンタリーを見たんですが、怖くなって出産したくなくなってしまったんです。その際、出産というものが後戻りできないものだと強く感じました。砂絵のアニメーションは失敗すると簡単にもとに戻せない素材です。そういったテーマ性と砂絵のアニメーションが凄くマッチしていたので選びました」

 

女性のおでこにできたデキモノが次第に大きくなって……。奇抜なアイデアと色鉛筆の素朴な線が印象的な『デキモン』。森永監督はもやもやとしたコンプレックスを表現したくて作ったという。「最初にプロットがなんとなく決まっていて、突拍子もない物語をやろうと思っていたんですが、それをどういう雰囲気で完成させるかで結構悩んでいました。もともと絵も描いていて、色鉛筆の作品もあったので、1人1色しか使わずに何か不思議な雰囲気がでないかと実験を繰り返した結果、見ていただいた画面になりました。自分としては良い効果になったかなと思っています」

 

血入り腸詰は手紙に誘われて、友だちの肝臓入り腸詰の家へ遊びに行くことに…、というダークでちょっとグロテスク、それでいてキュートな雰囲気をもつストップモーションアニメ『I think you're a little confused』。小川監督によるとグリム童話「へんてこなおよばれ」が原案だというが、キャラクター創造や演出方法に独自性が光る。「主人公の赤いソーセージの人形を作るときに、質感がちょっとテカテカしている素材がないかなといろいろ試しました。最終的に中にアルミの針金が入っているんですが、それをウレタンで包んで丸くして、ストッキングを上にかぶせてラテックスを貼っているんです。ラテックスであの雰囲気が出るまで苦労しました」。小川監督の独特な世界観に観客から驚きの声があがり、発想の根源について問われる場面も。その質問に小川監督は「階段を降りていったら、いつのまにか回転して登っていたみたいなカットがあります。マンガの「ジョジョの奇妙な冒険」の第3部で、キャラクターが階段を降りたと思ったらいつのまにか登っていたというところがあるんですが、その部分が(絵で)描かれていなかったんですね。でもその概念が面白かったので、視覚的に表現したいと思い今回のようにしてみました」と、”あそこだけは”と限定しつつ根源のひとつを明かしてくれた。

 

閉鎖されてしまった駅への望郷の想いをポップな絵柄で表現した『竹田駅メモリーズ』。様々なメディアが物語のなかに飛び込んでくるのが印象的な本作に対して浜村監督は、「今回は3DCGで映像を作り、それを手書きでトレースして使ったりとか、実写映像を撮ってそれをアニメと融合させたりという手法を取りました。(本作は)竹田駅の想い出を描いたアニメーションです。想い出はいろいろなものを見て、自分のなかで解釈してできるもの。そのため、いろいろな光景が存在している状態を表現したく、様々なメディアを使って制作しました」と説明した。

 

寿命の異なる猫と人間の触れ合いを水彩画タッチで淡く描いた『ももちゃんのねこ』。今林監督によると本作は、小学館の2歳から3歳児童向けの雑誌「めばえ」の編集長と一緒に製作したという。「小さなお子さんにも映像で命の教育をできないかという(編集長の)思いと、私自身も命や営みをテーマにしていたので良き出会いの中で一緒に作っていこうということで、親子で命について語るきっかけになるものとして作らせていただきました」。本作はネコの毛並みなどをはじめとした、柔らかいタッチも印象的だ。「絵本みたいな見栄えになるといいなと。背景は画用紙に色鉛筆で描いていただきました。キャラクターはネコのふわっとした毛並みをどうしたら描けるかと悩んで、パステルという素材を画用紙に塗って、それをスキャンしてパソコンでフワっと見えるような塗り方をしました」

 

Q&Aの最後には今回登壇できなかった『THE ANCESTOR』の小原正至監督からのメッセージも読み上げられた。「この作品は原始時代から未来永劫も変わらず続くであろう男と女の本質を、時代を超えたユーモアを盛り込み表現しようというところから始まりました。そんな世の男を代弁する主役のご先祖様役には男を語らせたらこの人しかいないと森山周一郎さんに絵を見てもらったところ、快諾してくださり、相手の子孫役には俳優、脚本家としてもご活躍中の粟島瑞丸さんを迎えることができました。時代を超えた2人の俳優の化学反応もこの作品の見どころのひとつとなっていると思いますので、楽しんでいただけましたら幸いです」

 

アニメーション』部門は次回、7月21日(金)17時より映像ホールで上映され、Q&Aも行われる。


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