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デイリーニュース3月28日

「受賞記者会見」

表彰式の直後、受賞者全員による記者会見が行われた。川口市長は「大成功に終わったと思っています。小さな映画祭ですが、大きな一歩を踏み出したと言っていいでしょう。1回目なので反省点も沢山ありますが、ざっくばらんに話し合って改善していきたい。」と挨拶。ちなみに期間中の観客動員総数は5000人以上で、映画祭の観客動員数としては好記録を残した。

質疑応答では、「Dシネマの上映に対する、日本の観客の反応はいかがでしたでしょうか」との質問が。『ソルト(原題)』のブラッドリー・ラスト・グレイ監督は、「韓国で上映した時は、女の子が走り回っているような感じでした。日本では、おばあさんが来て「よかったよ」と言ってくれた。おばあさんが見るような映画ではないので(笑)、嬉しく思いました。」、『エディ(原題)』のビョートル・シェシオルプロデューサー夫人も記者会見に同席し、「ストーリーがよかったものは、国際的にもわかってもらえると思いました。」と語り、今映画祭にて、国境を越え作品を理解してもらえたことに満足しているようす。また、『美女缶』の筧監督は、「日本は声に出してあまり笑わないですね。韓国で上映された時はすごく盛り上がった。日本でも個々の声を聞くと、おもしろかったと言ってもらえるのですが…。」と、同じ作品でも国によって反応が違うことを語った。

続いて「「最優秀作品賞の『ウィルバー・ウォンツ・トゥ・キル・ヒムセルフ(原題)』は、どの点が評価されたのでしょうか?」との質問には、滝澤ディレクターが回答。「私は審査には参加していないのですが、最初に投票をして、みんなの意見は一致していたと聞いています。「ストーリーと新しいテクノロジーを使って、わかりやすい作品を評価した」とのことです」。

「Dシネマ映画祭のような催しは、各国でも行われているのでしょうか?」との質問には、各国から来た監督が回答し、ポーランド、スウェーデン、アメリカでも主要な映画祭や、メインではなくてもDシネマが含まれるものがあるとのこと。特に盛んなのはアメリカで、HDのみで上映をする映画祭もあるほど。しかしそんなアメリカでも劇場などに普及させることが必要だという。そして、それは日本にも当てはまる。
「映画は人に見てもらわないとダメなんですが、HDとかかけれる映画館は少ないという現状が国内にはあります」と語ってくれたのは『犬と歩けば-チロリとタムラ-』の篠崎監督。「オーディエンスのキャパシティが小さいところの方が、ビデオでかけれることが多くなっています。普通の映画館でもかけることができるようになって欲しいが、現状は厳しいです。デジタルはいいツールですが、それを支援するSKIPシティ国際Dシネマフェスティバルのような映画祭と観客がいないと成り立たないと思います」と、Dシネマ公開が難しい日本の現状を鋭く語った。

最後に滝澤ディレクターより挨拶が。「映画祭は始まったばかりです。人材育成をし、それを産業創出につなげていき、映画を作っていく人をHAPPY にしていきたいです」と、受賞記者会見を締めくくった。(山本)

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「表彰式」

20日より開催された映画祭も、本日28日が最終日。映画祭の締めくくりとなる表彰式が、映像ホールにて13:00より開かれた。まずは、実行委員会会長である上田清司埼玉県知事より、「ようこそおいでいただきました。デジタルシネマと言う新しい分野が、世界に発信する機会を得たと思います」と挨拶。

賞の発表は、川口市民賞1作品と奨励賞2作品から。この賞は日本の作品を対象としており、公募で選出された川口市民が、17本の候補作品の審査を行った。岡村市長より説明がされ、「日本の監督を激励し、海外に羽ばたいてもらおうと。審査基準は、まず市民県民に広く見せたい映画、家族や友人にも見せたい映画、そして自分が納得した映画、これらを基準に決めました」とのこと。
奨励賞には、長編部門の『犬と歩けば-チロリとタムラ-』(篠崎誠監督)、特別上映部門の『美女缶』(筧昌也監督)がそれぞれ選ばれ、川口市民賞は、同じく特別上映部門の『人形芸人Dont & Not』(船引亜樹監督)が受賞。「クロージングがあるとだけ聞いていて、普段着で来てしまいました。受賞でき、ありがとうございます。」(篠崎監督)、「同じく普段着ですみません。覚えやすいタイトルだと思いますので、どこかで見かけたら観てやってください。ありがとうございました。」(筧監督)、「作品らしい作品を作ったのがこれが初めてで、それを映画祭で流してもらえた上に、賞を受賞できて非常に嬉しいです。いつか全国、海外で上映されるようになりたいと思いますので、応援をよろしくお願い致します」(船引監督)とそれぞれコメント。

続いて、発表されたのは短編11作品を対象とした短編部門のアワード。作品賞2作品には、『エターナル・ゲイズ(原題)』(サム・シェン監督)、『カワードリー・ヴィシャス(原題)』(クワン・リー監督)が、最優秀作品賞1作品には『クラスメイト(原題)』(ビョーン・カールストロム、ステファン・トウンベリィ監督)が受賞した。「トロフィーとても重いです(笑)。このような賞をもらえて非常に嬉しく思います。」(サム・シェン監督)、「どう言ったらいいかわかりません。映画祭の関係者の方々、そして作品を一緒に作ったスタッフに感謝をしています。もっとよい作品を持って、またこの映画祭に来たいです。」(クワン・リー監督)と語った。また、ビョーン監督に変わり、ペル・ヤヌルス ライン・プロデューサーがトロフィーを受け取り、「監督は今スウェーデンで眠っていると思いますが(笑)、もちろんこの受賞を喜ぶでしょう。川口市のみなさん、映画祭の方々に感謝いたします。」と語った。

最後は、長編部門の新人監督賞、作品賞、最優秀作品賞が、7作品の中からそれぞれ選ばれた。新人監督賞は、『ソルト』(ブラッドリー・ラスト・グレイ監督)が、作品賞には『エディ(原題)』(ピョートル・トーシャスカルスキ監督)が選ばれ、ブラッドリー監督は「とても嬉しいです。(賞金の200万円は)次の映画の予算にあてたいです。」、監督代理で登場の『エディ(原題)』プロデューサー、ビョートル・シェシオルさんは「みなさんにありがとうといいたい。協賛企業の方々、特にソニーさんに感謝したいです。HD技術がなければこの作品はできませんでした。」と語った。
そして、今映画祭の最高の賞である最優秀作品賞には、『ウィルバー・ウォンツ・トゥ・キル・ヒムセルフ(原題)』(ロネ・シェルフィグ監督)が選ばれた。代理としてデンマーク大使館の参事官 領事 ベンツ・リンドブラッドさんが駆けつけ、「デンマークは、人口の割りに大きな映画産業がある国です。大使館に戻って、デンマークの通信会社にこの受賞を発表したいと思います」と語り、興奮冷めやらぬ様子。
また、ロネ監督とシシィー・グラウム・オルセン・プロデューサーの喜びの声がはるばるデンマークから届けられた。「数ある作品の中から、そして日本の遠い国から選んでもらえて光栄です。作ってよかったと思っています。ありがとうございました。」(ロネ監督)、「最優秀作品賞を受賞でき、非常に嬉しく思っています。SKIPシティ国際Dシネマフェスティバルは、デジタルに注目した素晴らしい映画祭です。私もその活動に協力していきたいと思います」(シシィープロデューサー)。

「このような映画祭の審査は、必ずしも楽しいものではありません。ですが、今回は楽しかった。幅広く作品をカバーしていて、時には両極端な作品を審査することができました。」と語ったのは、審査員長であるジェイムズ・ハイドマンさん。「今回審査するにあたって勉強になったのは、、技術はストーリーを拡張していくためのものということ。心の根源に訴えるもの、国を越えて訴えていくものが評価されるのだと思いました」と、Dシネマもその内容が大事であると改めて感じたようす。そして「まだ1年目ではありますが、上映作品の質・深さを見れば、この映画祭の良さがわかってもらえると思います。」とも語った。

そして、今映画祭のディレクター・瀧沢裕二さんは「期間中、毎日飲みながら(笑)監督など関係者の方々と話をしましたが、どの方も映画にかける情熱がすごいと思いました。受賞されなかった方もすばらしい才能を持っています。そして、常日頃、僕が口癖のように言っている「新しい産業は、文化とテクノロジーが融合したところに生まれ、政府や行政の支援が必要である」ということは、世界共通の考えだということも知りました。まだ小さい映画祭ですが、海外に発信できるよう大きくしていきたいと思います」と語った。

第1回目を無事に終えたSKIPシティ国際Dシネマフェスティバル。技術は日々発展しており、次回の開催ではまた新たな作品・才能が集まってくることだろう。第2回目の開催にも期待をしたい。(山本)

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デイリーニュース3月27日

「デジタル時代のクリエイター」

シンポジウム2日目は、映画『ピンポン』の監督を務めた曽利文彦さんが登場。TBSで働く曽利さんは、映画『ピンポン』を監督し、さらに最新作・フルCGアニメ『アップルシード』のプロデュースも手掛けるなど、Dシネマの第1線で働いている。デジタルをどう駆使していけばいいか、曽利さんのこれまでの経験と合わせ、語ってもらった。

「映画とテレビの演出は違うと教え込まれましたが、デジタルに進んでいくと、フィルムもテレビも同じ部分が多いと思っています。テレビは早くからデジタルが導入されいて、映画も次第にそうなっていくと思っていましたが、その波が今いきなり来ています。」と曽利さん。

「Dシネマがまだ作られていない頃、「Dシネマプロジェクト」というのを設立し、Dシネマはどんなものかという研究を進めていました。ソニーがカメラを作っているのにも関わらず、日本でDシネマの実態がよくわかっていなかったんです。そこで1分間のショートフィルムを、フィルムとデジタルの2つのカメラで撮り、質を比較してみました。そしてお金を貰って一般に公開しても大丈夫だろうということで、「Dシネマプロジェクト」の最終目標である商業映画の製作に取り組むことになりました。こうして出来たのが『ピンポン』なんです。」
『ピンポン』はCGを活用し、これまで不可能だったカメラワークなどを盛り込んでいる。会場では、曽利さんの解説つきで、『ピンポン』のメイキングが1分ほど上映された。「Dシネマは、CGとフレンドリーで、すぐに加工することができます。フィルムだと1コマ1コマスキャンしてからCGにしないといけないので、非常に手間がかかります。またCGという自分の得意分野に全てを持って来れるのは、クリエイティブな面で決定的に違いますね。」
作中の試合会場の観客なども、エキストラを使わずにCGで作り上げたとのこと。そうすることで、時間と制作費の節約ができるという。「『ピンポン』は、1日半で撮影を終えなければいけなかったんです。フィルムだと不可能なのですが、Dシネマだからそれを成しえた。だいたい1ショット10分くらいで撮れています。なので『ピンポン』は、非常に効率よく作ることができました。限られた予算の中で、納得の行く出来にするのにデジタルは助けになります。デジタルまみれになれというわけではないのですが、デジタルを使えばより自分のイマジネーションに近いショットを作っていけます」。

続いて、最新作『アップルシード』の予告編なども上映。俳優をモーションキャプチャーで撮り、生身の人間の動きを取り込んでいる"3Dライブアニメ"で、非常に動きのあるアニメに仕上がっている。今作は世界各国の試写で大絶賛を受け、日本でも世代や性別を問わず評価をされている。「ぜひ一度ご自分の目で体験してもらうと、デジタルがどうなっているのかわかっていただけると思います。」と曽利さん。

このようにCGに深く関わる曽利さんだが、決してCG至上主義ではない。質疑応答での質問に対し、「僕はトトロやナウシカなど、日本の伝統的なセルアニメも大好きですし、これらをCGに置きかえるのは非常にもったいないと考えています。僕は"3Dライブアニメ"という新しいジャンルをやっていますが、2Dでやればいいものは2Dで、 3Dでやるほうがいいものは3Dでやればいい。効率がいいから3Dでやればいいといった、変な動きが出てくるのは嫌ですね。」と回答。「これからは脚本の時代。どんなツールを使おうと、映画がおもしろいことが大切だと思っています」。(山本)

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デイリーニュース3月26日

シンポジウム「Dシネマ 21世紀の展望」
デジタル時代を向かえ、広く知られるようになったDシネマ。3月26日(金)13:00から始まったシンポジウム「Dシネマ 21世紀の展望」では、Dシネマ分野にて第一線で活躍する3人のパネリストを招き、それぞれの意見・見解を語ってもらった。Dシネマの発展と普及に向け、各国でどのような動きをしているのかなど、興味深い話が多く語られていった。

まず最初に登壇したのは、中国のワン・リアン(王聯)さん。ワンさんは中国広播映画テレビ総局科学技術司の副司長を務めている。「Dシネマは、これまでのフィルムのように劣化せず、そして配給の時は、従来よりコピーを楽に出来るため、コスト削減につながります。メンテナンスや運搬についても、フィルムより楽です。デジタルにより、速やかに低コストで上映できるのです。」中国の広い国土では困難だった全国同時公開も、Dシネマなら可能になっていく。だが、国土が広いために生じる問題は他にもある。「土地によってどんな映画が見たいなどニーズが違ってきます。小さな農村にもニーズはある。それぞれのレベルのニーズにどう応えていくか。また、農村や都市部で、経済格差がかなりあります。農村では、映画の料金は高いと感じられているのです。」また、「TVと違って、映画はアーティスティック+クオリティーがなくてはなりません。映画館まで来てもらわなければ意味がありませんから。」と、内容にも留意しなくてはならないと見解を述べた。中国では国家がまずデジタル化を推進しており、時をみて民間に移行していく予定とのこと。

続いては、アーツ・アライアンスのマネージング・パートナーを務めるトーマス・ホウさん(ノルウェー)。「アーツ・アライアンス」は、Dシネマ関連のビジネスを行っている。街の映画館や学校、映画関連サービスを提供するWEBサイト「LOVE FiLM」の運営、映画製作やビデオ販売・配給など、手掛けている分野は非常に幅広い。「Dシネマ上映のみならず、この業界の考え方も変えていかなければいけません。アーツ・アライアンスはフレキシブルなビジネスなので、それを生かして観客とコミュニケーションをとっていきたい」とトーマスさん。また、解決していくべき問題の1つに、ヨーロッパの協力体性がまだ不十分である点が挙げられた。「(ヨーロッパは)沢山の地域があり、それぞれに独自の映画産業があります。国家産業になるほどのものもあります。ですが、なかなか共同作業をしていくことができません。それは、ある国はDシネマでやりたい、また別の国はDシネマは嫌だというように、国によって主張があるからです。」また、Dシネマを上映できる映画館が少ないこと、製作側にフィルムでなければ映画じゃないと考えている人も多いことを語った。「Dシネマをビジネスとして成り立たせていくには、どの程度きちんとしたシステムを、どう作るかが大切になってきます。」

最後に登場したのは、パトリック・ヴァン・シコウスキーさん(イギリス)。スクリーンダイジェスト誌、デジタル・シネマ・アナリストだ。「グローバルな観点から、今Dシネマがどのような傾向にあるのかですが、Dシネマリリース数は、ディズニーやワーナー・ブラザーズ(マトリックスやハリーポッターシリーズなどを配給)が多く、国別に見ると、ブラジルやインドで多く作られています。自国の理由からDシネマに取り組んでいるところもあり、例えば、インドは低コストで作るためで、ブラジルは全てDシネマじゃないと上映できない。」と世界各国の現状を解説。「Dシネマは、技術が日々発展していっており、今はティーンエイジャーで、これから成人になっていく段階ですが、デジタルは様々な問題を解決していく方法を持っているといえます。例えば、Dシネマにより、世界同時公開が可能になると、海賊版の歯止めにもつながっていくのです。」

3人の登壇後の質疑応答では、活発に質問がされていった。その中で、「いつDシネマが始まっていくと思いますか?」という質問に対し、「10年位前から5年後だと言われてきましたが(笑)、今は2〜3年後であろう思います。いろいろな国でDシネマの動きがありますので、いつも新しい動きに反対するハリウッドも追随せざるをえなくなるでしょう」とワンさん。また、「低コストで映画を製作できるとのことでしたが、それに伴い鑑賞料金も安くなるのでしょうか?」といった質問には、「観客は映画の中身にお金を払っているのだと思います。たとえデジタルでも、下手な女優の演技は下手なまま。観客はクオリティーに関心があるのです。」(トーマスさん)と語った。

内容の濃さから、予定時間を大幅に延長した「Dシネマ 21世紀の展望」。Dシネマが今後どのような展開をみせていくのかを占うのに、今回のシンポジウムは大いに参考になるだろう。(山本)

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デイリーニュース3月25日

『特別上映部門(3)』
本日で2回目の上映となる『特別上映部門(3)』。上映される作品は、『マチコのかたち』(白川幸司監督)、『美女缶』(筧昌也監督)の2つ。上映後のティーチインには、筧監督と、健太郎役の藤川俊生さんが駆けつけた。

まずは監督から一言挨拶。「見ていただいてありがとうございます。平日の早い時間にもかかわらず来ていただけて、とても嬉しいです。」これまでにデジタルアニメーションの製作などもしている筧監督は、本格的な映画は今作が3本目とのこと。「本編では'01年とテロップがでてきますが、『美女缶』が完成したのは'03年の1月です。1つ前の作品では、ビデオと言うことをとても意識して、実験的な映画を撮っていました。『美女缶』では、そこまでこだわらず…と思っていたのですが、パソコンで色などをいじりましたね。今日、上映されているこの会場は非常に設備がいいので、とてもキレイに上映されてました。デジタルだといろいろできるので、恩恵を非常に受けてます。」今回のティーチインの進行役・プログラマーの古澤さんによると、フィルムだと色調を変えるのに手間がとてもかかるとのこと。「『美女缶』の撮り方は、すごくオーソドックス。CGとか合成とかがあるわけではないですし。でもこの作品がいいのは、脚本やキャスティングとか、そういったものが大切だからなんだと思います。今は"中身"の時代になっているといえますね。」と語ってくれた。

先に筧監督が触れていたように、今回上映された会場は、デジタル上映に合わせ、設備が非常に整えられている。このことに、筧監督は驚きを隠せないようすで、「本当にいい環境で上映させてもらいました。今までで一番良かったんじゃないかと。良すぎて、これまで聞こえていなかった音まで再生されていました(笑)。ちゃんと頑張って作ってよかったと思います」と話した。この監督の言葉に、「こういう設備が整ったところで上映するのも、(若手への)支援の1つかな」と古澤さん。

また、会場から「どれくらい制作費がかかっているのでしょうか?」「主人公の部屋に『シザーハンズ』のポスターが貼ってあったのは何か理由があるのですか?」との質問が寄せられた。かかった費用について具体的な数字は語られなかったが、「完成しないと意味がないので、お金は気にしていなかったです。でも、お考えになられているほどはかかっていないと思います」と筧監督。また『シザーハンズ』についても監督が回答。「『シザーハンズ』は大好きな作品ですが、今回ポスターを使ったのにはそこまで深い意味はありません。ただ、主人公が俳優をやっていたりするので、映画に興味はあるだろうと。それと、ただ単にポスターのビジュアルがキレイだったことや、エドワード(『シザーハンズ』の主人公)が人間ではないこと、『美女缶』もSF作品といったいくつかの共通点が両方にあったので、使用しました。」と語った。

今作で筧監督は、昨年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭にてオフシアター部門グランプリを受賞。その他国内外の映画祭でも上映され、賞も受賞している。そんな監督の最新作はショートフィルムで、ネット配信が予定されているとのこと。気になる方は、『美女缶』の公式ホームページ(http://sound.jp/poosworks02/bijocan/)で、今後掲載予定の詳細情報をチェックしてみよう。
(山本)

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デイリーニュース3月24日

『えてがみ』
第4日目となるコンペ長編映画部門。本日最初の上映作品は『えてがみ』。絵手紙を描く青年・飯島とその友人・功丈を中心とした人間模様を収めたドキュメンタリーだ。今作は、新たな才能を見つけ出す"第25回ぴあフィルムフェスティバル"にて審査員特別賞を受賞している。

まず、舞台挨拶に内田伸輝監督がなんとカメラを持って登場。「『えてがみ』を監督しました内田と申します。楽しんで見ていってください」。

上映後のティーチインには、内田監督、出演者の鍋島さん、飯島功丈さんが登場。まず「なぜこの作品を撮ろうと思ったのか、デジタルで撮影したのはなぜなのか」と、MCの堤満莉子さんより監督に質問がされた。それに対し、「鍋島くんが撮ってくれと言ってきたから」と内田監督。「なぜ撮ってもらいたかったのか?」と鍋島さんに質問が向けられると、「とにかく映画を作りたかったんです。昔映画を作っていた時期があったんですが、それきりだったので。」と鍋島さん。「なぜデジタルで撮影されたのか?」という質問には、「フィルムで撮ったことがちょこっとしかなくて。今作はハイエイトやVX2000で撮影したんですが、それは使いやすかったのもあります。」と内田監督。

今作は、借金や人の死などのトピックを扱っており、緊迫したシーンが何度か登場する。「そんな中を撮影してきた監督は、どんな気持ちだったのですか?」との会場からの質問に、監督は「感動したりして、たまに泣きたくなる時はありました。言い争うシーンとかは、黙っていましたね。自分が映画の中に入りたいとは思わなかったので。」と語った。

続いて出演者の2人にも質問は向けられた。「2年半の撮影の間に何か変わったところはありますか?」という質問には、鍋島さんが回答。「撮影を始めたばかりの頃は感情的に怒りを表したりしていました。撮影を終えた頃は穏やかです。「人間いつ死ぬかわからない」と今までも口癖でしたが、渡部さん(作中に登場)が亡くなってから、より実感するようになりました」。

そして、次に寄せられた質問は、「この撮影がもしかしたら2人を引き裂いたかもしれないと思うのですが、監督はその覚悟があって撮影に臨んだのですか?」と、核心に迫った内容。それに対し、内田監督は「撮る以上は覚悟していました。人間にはいい面も悪い面もあります。いい面だけを撮ると、なーなーになる。両方合わせて人間だから、両方撮らないと駄目だと思っています。」としっかりした言葉で回答した。

出演者の2人には「この作品でお2人は自分の日常をさらけだしていますが、それに対してどうお考えですか?」との質問が。「いいだしっぺなので……。それにとにかく映画を作りたかったんです。それでも最初の試写は、柱の影からくらいしか見ることができませんでしたが、今日はちゃんと見れましたし、見終わった後いつも感動します。渡部さんの両親も喜んでくれたので、出てよかったと思っています。」と鍋島さん。だが、それでも功丈さんに対しては「つらいことが沢山出てきて、この作品は大丈夫なのか(鍋島さん)」「訴えられたらどうしよう(内田監督)」と不安だったという。そこでまず功丈さんに作品を見せることにしたが、上映後、彼は泣いて喜んだとのこと。現在俳優活動を開始している功丈さん。彼いわく「最初見た時はびっくりしましたけど……。いろんな映画祭で上映されるのは嬉しいです。自分が軽々しくて、つらいところもありますが、撮ってよかったと思います」。

ダークなトピックと扱いながらも、テンポよい映像や音楽で、最後は希望を感じられる『えてがみ』。再上映は、3月26日(金)16:00から(15:30開場)映像ホールにて開始される。また、今作は今後ドイツや香港などの映画祭でも上映される予定だ。「どんな反応をされるのか楽しみです」(内田監督)。(山本)

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『特別上映部門(2)』
『特別上映部門(2)』は21日(日)、23日(火)にも上映され、今回は3回目の上映となる。ラインナップは、前回同様『いつもの散歩道』(今西祐子監督)、『人形芸人Dont&Not』(舩引亜樹監督)、『マルハンシアター×4部作』(木下ほうか監督)、『Have We Ever Met Before』(深澤研監督)、『MARS』(古波津陽監督)、『蜃気楼の巨人たち』(多田健太郎監督)、『マジックそのまま』(堀江慶監督)の7作品。上映後には、『マジックそのまま』の堀江監督と、『蜃気楼の巨人たち』の多田監督、そしてプログラマーの古澤敏文さんがティーチインに登場してくれた。
(※その他の監督のティーチインについては、21日(日)のデイリーニュースをご覧ください。)

まず、今回上映された作品を作ったきっかけについて語ってもらった。堀江監督は「僕はガオレンジャーをやってまして、(同じ出演者の)金子昇くんからお話をもらいました。DVDを出すから、アイドルっぽくないものを作ってほしいと。その時自由のきく仕事がなかったので、"好きに撮っていい"という条件を出したら、それでいいよと返事をもらったんです。」と語り、マジックの意味について聞かれると「僕もよくわからないです(笑)。野球に詳しくないので……。」とのこと。多田監督は「今20歳の学生ですが、仲間が集まってみんなで撮りました。エンターテイメントとデジタルを組み合わせて、おもしろい作品を作っていきたかったんです。」語ってくれた。

「デジタルで撮ったがゆえに、よかったことはありましたか?」との質問には、「ほぼ1日で撮影しなくてはいけなくて、夕方とかどんどん暗くなっていくわけです。フィルムだったら色補正は無理!というレベルだったんですが、デジタルだったので大丈夫でした。」と堀江監督。多田監督も「音楽も作曲しているので、デジタルがないと全てできなかったと思います。」と話し、2人ともかなりデジタル技術に助けられたようす。

また、映画祭のプログラマーである古澤さんも「今回の作品は画質がバラバラなのは、一言でデジタルといってもいろいろあるからです。プロ用のカメラやアマチュア用とでも違います。逆にそのいろいろあるものを、どううまく使っていくかが大事だと思います。」と語った。

お2人の監督のように、自主映画の場合、監督・脚本・編集などいくつもの役割をこなすことが多い。会場から「全て自分でやったほうがいいのか、それとも分業した方がいいのか、どちらでしょうか?」との質問が出ると、堀江監督は「自主映画は全部やらないといけないし、スタッフ全員にスキルがあるわけではないので全てチェックしないと気がすまなかった。スケールの大きい仕事になると、分業制になってきます。最初は慣れていませんでしたが、だんだんイメージ通りに出来ていくんだなとわかってきました。」、多田監督は「今回はイメージ的な映画で、伝えにくかったので自分でほとんどやりました。普段はアクション映画とか撮っているので、その時は分業しています。」との答え。

最後に、「デジタルは撮りやすいし、お金もかからない。簡単に撮れてしまうので、何を取るかが大事になってくる。それをとても痛感しています。」(堀江監督)、「技術が進むといろんなことができると思うのですが、何ができるかではなくて、何が撮りたいのかということに向き合っていきたいです」(多田監督)と、今後の作品に期待できる言葉を、それぞれ語ってくれた。
(山本)

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デイリーニュース3月23日

『エディ(原題)』
寒空の中、今日もSKIPシティ映像ホールにて長編映画部門が開催された。本日最初の作品は、ポーランド映画の『エディ(原題)』。ベルリン国際映画祭で3つの賞を受賞するなど、高評価を得ている作品だ。

上映前の舞台挨拶には、プロデューサー、ピョートル・シェシオルがポーランドから駆けつけ、「素晴らしい映画祭に招待していただき、非常に光栄だということを皆さんに伝えたい。デジタル技術がなければ、この作品はできなかった。上映を楽しんでいってください。」と語ってくれた。

続いて本編上映後のティーチインでは、まず監督ピョートル・トーシャスカルスキからのメッセージが読み上げられた。その中で、『エディ(原題)』は、日本の仏教僧の話をモチーフにしていることが明かされた。「『エディ(原題)』は、西洋と東洋の世界が出会っている内容です。ポーランドの現実を観察した世界と、永遠に同じものはないといった仏教や禅に関わる話がこの作品には存在しています。『エディ(原題)』は、たくさんの国で上映されて、いろいろな所で好評を得ました。その理由は、ストーリーにあると思います。エディは(モチーフとなった話に登場する)仏教徒と同じように、運命に従ったまま変わらないでいるが、周りの人間の生活を変えていく力を持っているのです。」

監督のメッセージが終わると、会場から早速「素晴らしい作品でした。日本の講談にもある僧の話がポーランドにまで伝わっていることにとても驚きました」という声が寄せられた。今作に日本の文化が取り入れられているという事実には、観客の皆さんも驚きのようす。それに対し、「前から日本の観客にどんな風に受け止められるのか興味がありました。素晴らしい映画だといってもらえて非常に嬉しいです」とピョートルプロデューサー。

続いて「出演者の抑えた演技や音楽が素敵で、とてもいい映画でした。監督のピョートル・トーシャスカルスキさんはどんな方なんですか?」との質問には、「この監督の始めての長編映画が『エディ(原題)』です。彼は15年前にポーランドの映画学校を卒業したのですが、その後長編映画を作ることが出来なかったんです。ポーランドでは、映画を作るのにTV局や政府から予算をもらいますが、エディの脚本は否定されてなかなか製作することができませんでした。」と、映画完成までの苦労話を披露。また「エディ役の俳優は、20年以上前に子役として出演があったきりで、それ以後は映画と関係のない生活をしていました。他の出演者も、ユレック以外は皆プロではなくアマチュアなんです。」と、今作を見た人がみな驚くような事実を語ってくれた。

今会場でも好評だった『エディ(原題)』は、3月27日(土)13:00(12:30開場)から同じく映像ホールにて再上映される。ポーランドで製作される映画は年間20本程度とのことで、日本で見る機会は非常に希少なのが現状。今作の上映は、そんなポーランド映画の魅力を知るのに絶好の機会だ。今回見逃してしまった人、ぜひご鑑賞いただきたい。(山本)

『ウィルバー・ウォンツ・トゥ・キル・ヒムセルフ(原題)』
本日2回目の長編部門作品には、ロネ・シェルフィグ監督作『ウィルバー・ウォンツ・トゥ・キル・ヒムセルフ(原題)』が登場。舞台挨拶に駆けつけたのは、プロデューサーのシッサ・グラウム・オルセンさん。「ロネ・シェルフィグ監督の他の作品『幸せになるためのイタリア語講座』が東京でも公開されています。日本でもこの映画が公開されて嬉しいです。そして、この映画祭に招待されたこと、会場に皆さんが来てくれてことをとても嬉しく感じています。」と挨拶をした。ちなみに『幸せになるためのイタリア語講座』は、ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員賞)ほか全4部門の賞を受賞。母国デンマークのみならず世界中で大ヒット、アメリカの公開も半年に及び、こちらでも大ヒットを記録している。本編上映後まもなく、ティーチインへ。最初に挙がった質問は、「この映画を通して訴えたかったことは何ですか?」。この質問に対し、シッサプロデューサーは慎重に話し始めた。「こういった質問には注意深く答えないといけません。映画に込められているメッセージは1つだけではなく、見ている人によって受け取り方が変わってきますから。ただ、命の大切さは重要な要素です。また、何を幸せと思うかということも、重要だと思います。」また、ストーリーの重要な要素の1つである“自殺”について、「宗教上自殺はタブーのはずですが、それは母国デンマークではそのように受け止められているのでしょうか?」との質問が。この鋭い質問に、「めったにない質問で、考えさせられる立場になってます」とシッサプロデューサー。「デンマークはほとんどがクリスチャンですが、日常生活上はそこまで宗教に執着していません。この映画を作っている時も、そこまで宗教的な意味合いを考えていませんでした。」とのこと。「ただ、この映画を編集していく時に、牧師を含む専門家を呼んで試写をしました。そして「これを見て気分を害する人はほとんどいないだろう」という回答をいただいています。もちろんデンマークでは“自殺”はタブーだし、他の国でもそう。ただ、タブーとはいっても生活と密接しているものでもあるので、プロデューサーとしてはそれらをしっかり扱っていくべきだと思っています。」この他にも、デンマークの文化や映画プロデューサーという仕事にまで質問が及んでいった。当初予定されていた15分間の時間が30分間まで延長されるほど、話は展開。デンマークでは低予算が当たり前で、その中でより良い映画を作るために、デジタル撮影を起用するなど工夫を続けてきたこと、それがデンマーク映画の洗練に繋がってきていることなど、『ウィルバー・ウォンツ・トゥ・キル・ヒムセルフ(原題)』だけに留まらない、濃いティーチインとなった。『ウィルバー・ウォンツ・トゥ・キル・ヒムセルフ(原題)』は、3月25日(木)16:00(会場15:30)から映像ホールにて再び上映される。人の一生について考えさせられる今作を、あなたも体験してみては?(山本)

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デイリーニュース3月22日

今日は朝から雨が降っていていたにも関わらず、たくさんのかたにご来場頂きました。本当にありがとうございます。

『冬至(原題)』

シェ・トン監督SKIPシティ映像ホールにて13時より上映された長編映画部門の『冬至』は、シェ・トン監督の「今日はご来場ありがとうございます」という、日本語での挨拶で始まりました。

中国でも注目のシェ・トン監督の『冬至』は、27日10時よりSKIPシティ映像ホールにてもう一度上映されますので、是非お見逃し無く。



「短編映画部門(3)」

短編映画部門(3)SKIPシティ多目的ホールにて13時30分より「短編映画部門(3)」として、フィリップ・サフィール監督の『2+1』、村上賢司監督の『川口で生きろよ!』、マイク・ゴーデック監督の『エンブリョ』、ローラ・スミス監督の『バースディ』が上映されました。上映後のティーチインには、4作品の監督と『エンブリョ』のプロデューサーであるケイン・ロバーツさんにご参加頂きました。それでは、ティーチ・インの一部を紹介させて頂きます。



Q.作品を作ったきっかけや理由を教えてください。
村上監督 劇中でも出てくるんですが、なぜ自分が川口に住んだのかを説明したかったんです。構図はスコセッシ監督の「グッド・フェローズ」を参考にしています。
マイク監督 通常グラフィックスやCMの仕事をしているんですが、自分の才能を示す映画を作りたかったんです。これからは長編映画にも取り組みます。
ケインプロデューサー 実写とCGを合成するに当たって、CGと実写の境目がわからないようにするのに苦労しました。
フィリップ監督 フランスやアメリカでフランス語、英語を話せない日本人と会うことがあったのですが、その時に言葉が通じない日本人の映画を撮ったら面白いと思いました。
ローラ監督 イギリスの会社の出資で制作したのですが、予算が少なくDVでの撮影になりました。DVは夜の星や光をきれいに撮る事ができるので、エモーショナルな夜のシーンを撮ることが出来ました。会話を少なくし、ちょっとした仕草に色々な感情を込めています。

Q.マイク監督 村上監督は川口じゃなくても映画を撮るのですか?
村上監督 もちろん撮りますよ。でも川口は面白いし、人も温かいので撮影しやすかったです。

村上監督に、客席から「次回作に自分も出して欲しい」という声があがったり、地元川口の高校生が監督方に質問したり、地元川口色の強いティーチインになりました。「短編映画部門(3)」は、23日17時、25日にSKIPシティ多目的ホールにて、27日17時にリリア催し広場にて上映されますので、是非ご覧下さい。

『ガーリー(仮題)』

ベンヤミン・トゥチェック監督SKIPシティ映像ホールにて16時より上映された長編映画部門の『ガーリー』は、ベンヤミン・トゥチェック監督の「雨の中ご来場ありがとうございました。この作品はHDで撮影していますので、この映画祭に招待頂き光栄に思います。HDで撮ったものがHDで上映される事を嬉しく思います。」という挨拶とともに始まりました。それでは、上映後のティーチインの様子を、一部紹介させて頂きます。



Q.この映画を制作した理由について?
A.この作品が私の最初の長編映画です。若い頃になんでもきれいに見えた世界を描きたいと思っていた時に、17歳の妹の日記をみつけました。その日記をベースに脚本を書きました。

Q.なぜデジタルで撮影されたのでしょうか?
A.脚本を書いてみると夜のシーンばかりでした。この映画には一般的な映画の照明は合わないし、シアリスティックな映画を撮ろうとは思っていなかったのでデジタルで撮影しました。

Q.音楽が印象に残りました。選曲の経緯を教えてください。
A.この映画にとって音楽は重要なものです。音楽について質問して頂きうれしく思います。音楽は昔からの友人に、若い頃自分が好きだった音楽を中心に作ってもらいました。主演の女の子は、本当はミュージシャンなのですが、彼女の音楽はテイストが違うため使いませんでした。でも、彼女の存在のおかげで、作品がより良いものなったと思っています。

『ガーリー』は、27日12時30分よりSKIPシティ映像ホールにて、もう一度だけ上映されますのでお見逃し無く。
映画祭も3日目をむかえ、ティーチインでは客席からも活発に質問が出るようになっています。ティーチインでは、監督に感想を伝えるつもりで手を挙げて頂ければ、監督方も喜ばれると思いますので、是非積極的にご参加ください。

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デイリーニュース3月21日

長編映画部門 「ソルト(仮題)」

ブラッドリー・ラスト・グレイ監督
SKIPシティ映像ホールにて10時30分より、長編映画部門の「ソルト」が上映されました。日本ではあまりなじみのないアイスランドを舞台にした作品です。上映後にブラッドリー・ラスト・グレイ監督とのティーチインがありましたので、その模様を一部ですが紹介させて頂きます。



Q.「ソルト」という作品を撮る事になった理由・きっかけについて?
A.映画の企画をしている時に、ある女性の生き方を映画にしたいと思いました。映画にしないと彼女の行き方を、誰にもみてもらえないと思ったからです。

Q.映画を撮るに当たって、なぜデジタルというフォーマットで撮ったのでしょうか?
A.デジタルで撮ることは、たくさんの可能性があるからです。フイルムと違い長い時間予算を気にせずに撮影できるため、主人公のヒルダ、彼女の気持ちや繊細さを描くのに適していると考えたからです。

Q.俳優がともて素晴らしいと感じました。俳優はプロの俳優でないと聞いていたのですが……。
A.ある学校でヒルダ役を演じた女の子を見つけました。彼女の存在感が、とても印象的だったんです。彼女のおかげで、自分でイメージした以上のものを撮ることが出来ました。彼女の存在無しには、この映画は成立しなかったと思っています。

ブラッドリー監督はとてもシャイな印象の方だったのですが、作品に関する質問に付いては、とても気持ちよく丁寧にお話し頂けました。「ソルト」は3月24日にSKIPシティ映像ホールにて15時30分より、もう一度だけ上映されますので、今回見逃された方は是非ご覧下さい。


長編映画部門「犬と歩けば〜チロリとタムラ〜」

犬と歩けば〜チロリとタムラ〜監督・出演者
映像ホール3回目の上映は、ゲストに多数ご来場いただいた「犬と歩けば〜チロリとタムラ〜」。篠崎誠監督、田中直樹さんとタムラ役のピース、片桐仁さん、藤田陽子さん、大木トオルさんとチロリ!ピースをつれた田中さんが、ピースに引っ張られる一面も…。

そしてまずは、篠崎誠監督から「映画人は心配性で、昨日のように雪が降ったらお客がこないのではないかと心配で、今日のように晴れたらみんな遊びに行ってしまうので葉と心配で…。」、続いて、田中直樹さん、片桐さん、藤田さん等が、「たくさんのお客さんが来てくれてありがとう。楽しんでください。」と挨拶がありました。最後に、大木トオルさんから今日のゲストであるチロリとタムラの捨て犬からセラピードッグになったお話などで会場をわかせてくれました。


短編部門(1)

マイケル・ヒース監督ほか
SKIPシティ 多目的ホールのコンペ短編(1)プログラムでは4本の作品、「スモール・ライフ」、「Watching Is Living」、「クラスメイト」が上映されました。そして「スモール・ライフ」のマイケル・ヒース監督、「Watching is Living」の畔柳鉄兵監督、そして「クラスメイト」のラインプロデューサーのパー・ジェラスさんが上映後のQ&Aにたちました。

「両親と子供は問題が起こったら話し合って解決するべき」と作品のテーマを語ったジェラスさん。「作っているひとは是非デジタルを、作られない人はデジタル映画を見て楽しんでほしい」とメッセジーをいただきました。
ものを作ることを通して表現するために自分の心の声や考え方を振り返ったとき自分には何もないと感じ、でもこの作品で結論が出たわけではなく、自分を探している過程であると語った「Watching Is Living」の畔柳監督。
そして、両親の死で暫く脚本を書くことをやめていたとき、カメラマンから新しいテクノロジー、デジタルカメラを使って映画を作ってみないかと声がかけられたことから生まれた「スモール・ライフ」。子供のように走り、自由に映画がとれるDVで是非撮影してくださいとマイケル・ヒース監督は語られていました。

短編部門(2)

カワードリー・ビシャス監督ほかこの回で上映されたのが「カワードリー・ビシャス」、「バグ・マン」、「浮世物語」そして、「エターナル・ゲイズ」でした。各作品の監督がQ&Aに参加。
「カワードリー・ビシャス」は、“臆病なものほど強暴だ”という意味という説明を入れてくれたクワン・リー監督。この作品は、長編映画を準備しているときにデモ版として製作されたことを話してくれました。
「バグ・マン」のマイク・マイリー監督は、同じルイジアナ出身の作家ティム・ゴードローの本と出合い、すごく感動し、作品にしたいという思いでAmerican Film Instituteに入学し、そこで製作したことを話されました。
アラン・エスカル監督は、10年以上も日本とCMなどの仕事をしてきて、日本での生活や仕事が自分にとってとても重要で、それを映像化したくて作られたのが「浮世物語」であることを語り、人間の体の動きや広島というテーマを扱ったのは、日本映画への親しみからであるそうです。
彫刻家、アルベルト・ジャコメッティの自伝を読んでいるうちに、彼の生き方が自分とすごく重なり、彼の作品が実際に動き出すことを想像し、それを自分の作品にしたいと思ったのがキッカケになったと語ったサム・チェン監督。彼の作品にイキを吹き込むことが今回の目的だったが、アートではなくアーティスト自信を動かそうと思ったとき、すべてがスムーズに動き出したそうです。

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「特別上映部門(1)」

康楽館監督ほか
リリア催し広場にて13時30分より「特別上映部門(1)」として、『康楽館 人情芝居小屋』、『うさぎ〜大人と子供の間で』、『日ノ丸レストラン』の3作品が上映されました。上映後のティーチインでは、『康楽館 人情芝居小屋』の村上監督(村)、『日ノ丸レストラン』の森田監督(森)と主演のジョナサン・シェアさん(ジョ)、土平ドンペイさん(土)の4名にご参加頂きました。その一部を紹介させて頂きます。


Q.作品を撮られた経緯、また出演された経緯について教えてください。
村 プロデューサーの飯島さんからドキュメンタリー作品を撮らないかと話をもちかけられました。一度はポシャッてしまったのですが、とても良い素材なのでもったいないということで、プロデューサーと最後まで撮り切りました。
森 面白おかしい映画で、見た人に笑ってもらえる作品をと思っていました。日本が第2次大戦で勝ったらという発想から、脚本段階でコメディにうまく仕上げてもらう事が出来ました。
ジョ 外国人で日本語がしゃべれるという事で出演依頼を受けました。関西弁でしゃべるのに苦労しましたが、関西弁は森田監督の指導を受けて楽しかったです。
土 劇中では唯一の日本人で、見たとおり一般的な日本人の役でした。敵刺(テキサス)州調布市での撮影はとても楽しかったです。(笑)

Q.Dシネマの可能性について?
村 何か撮ろうと思っている人にとって、DVは予算が少なくても、撮る人の志と熱意さえあれば撮ることが出来ます。それが、まさにDシネマだと思います。

Q.監督の今後のご予定を教えてください。
村 27歳の時から映画を撮っていて、以前「ペットロス」という大事なペットを失った時のつらい感情を扱った作品を撮ったのですが、今はその続編を企画しています。
森 明日も明後日も会場に来ます。土平さんも一緒に来ると思いますので、是非声をかけて下さい。

森田監督が村上監督に質問をしたり、村上監督がジョナサンさんと土平さんに次回作への出演依頼をしたりと、とても和やかな雰囲気のティーチインでした。
「特別上映部門(1)」は、22日16時よりリリア催し広場、24日に13時よりSKIPシティ多目的ホールにて上映されますので、今回見逃された方は是非ご覧下さい。


「特別上映部門(2)」

特別上映部門2監督ほか
リリア催し広場にて16時30分より「特別上映部門(2)」として、『いつもの散歩道』(今西祐子監督)、『人形芸人Dont&Not』(舩引亜樹監督)『マルハンシアター×4部作』(木下ほうか監督)、『Have We Ever Met Before』(深澤研監督)、『MARS』(古波津陽監督)、『蜃気楼の巨人たち』(多田健太郎監督)、『マジックそのまま』(堀江慶監督)の7作品が上映されました。上映後には今西監督(今)、舩引監督(舩)、木下監督(木)、深澤監督(深)、古波津監督(古)の5名にティーチインに参加頂きました。その一部をご紹介致します。


Q.この作品を制作した理由、きっかけを教えて頂けますか?
今 この作品は愛するペットが死んでしまい、どう立ち直るかというテーマで作りました。ペットに限らず大事な人を失ったりすると、私はなかなか立ち直れず前向きになるまで時間がかかるのですが、そういった感情を表現したいと思いました。
舩 「バミリオン・プレジャーナイト」というテレビ番組で2つの作品を制作したうちの1つです。今後TVシリーズが企画されていて、52本の作品を制作します。声優は吉本興行の若手芸人の方にやって頂きました。
木 賞金目当てで4・5本出品した中の、3年ほど前に撮った一番の捨てネタが選ばれてしまい、びっくりしました。だけど、『人形芸人Dont&Not』には負けました。(舩引監督に向って)今度使ってください。
深 1年前までシステム・エンジニアとして働いていたのですが、今後は映像に関わって行こうと思い制作しました。
古 太陽系の惑星をテーマにしたシリーズを作ろうと思い、最初に火星Marsを選びました。ギリシャ神話ではMarsは戦いの神で男なんですが、今回は女性キャストを起用し中性的なイメージで作品を作りました。

Q.Dシネマの可能性について?
今 DVはフィルムに比べて10分の1位の予算で撮ることが出来るので、予算をかけずに作りたいときにすぐ作れる点が、DVのすごく良い点だと思います。

木下監督が舩引監督をベタ誉めしていたのが印象的なティーチインでした。その舩引監督は、作品が初めて上映された記念にということで、自作の缶バッジ100個を来場者にプレゼントして頂きました。個性的な若手監督7人の作品を見ることが出来る「特別上映部門(2)」は、23日16時よりリリア催し広場、24日16時30分より SKIPシティ多目的ホールにて上映されますので、是非ご覧下さい。

「特別上映部門(3)」 

特別上映部門(3)監督ほか
リリア催し物広場にて13時30分より「特別上映部門(3)」として、『マチコのかたち』と『美女缶』の2作品が上映されました。上映後のティーチインには、『マチコのカタチ』の白川幸司監督(白)、『美女缶』に主演された藤川敏生さん(藤)に参加頂きました。その一部を紹介させて頂きます。


Q.(白川監督に)この作品を作った経緯を教えてください。
白 もともと実験映画を作っていたんですが、エンターテイメント作品を撮ろうと思い、ミュージカルこそエンターテイメントの極みと思っていたので、この作品を作りました。また、ビザールな世界を描こうと思っていました。

Q.(藤川さんに)映画撮影時のエピソードを教えてください。
藤 監督からは撮影中、自分も物語のラストを全く知らされていなかったので、ラストシーンを知らされた時はびっくりしました。

Q.『美女缶』のラストシーンが面白かったです。
藤 ラストには限られた時間の演出という監督の意図があったと思います。また人工的に作られたものが感情を持つということもあると思います。とても深い作品になってると思います。

Q.ラストシーンに意図したことを教えてください。
A.女性が女性のかたちを変える可能性、また外からの力によって自分がかわってしまう恐ろしさがあると思います。自分で自分を変えられるといいのですが……。ラストには自分が変る事の2重性を感じてもらえるラストにしました。

Q.最後に告知があれば、お願いします。
藤 『美女缶』HP(http://sound.jp/poosworks02/bijocan/)を見て下さい。今後の上映予定が出ています。
白 『マチコのかたち』が6月19日から7月3日までシネマアートン下北沢(現シネマ下北沢)にてレイトショーで公開されますので、今日ご覧頂いた方は宣伝して下さい。それと3月25日、26日、27日にSKIPシティ 埼玉県産業技術センター1Fロビーにて開催される「Dコンテンツ・マーケット」に出展します。次回作のシリアスな人間ドラマに興味がある方は、是非来てください。

客席から絶賛の声が寄せられたり、ラストが印象的だという感想が多かったティーチインでした。「特別上映部門(3)」は、23日18時30分よりリリア催し広場、25日13時より SKIPシティ多目的ホールにて上映されますので、是非ご覧下さい。

それでは、SKIPシティ国際Dシネマフェスティバルへのご来場お待ちしております。

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デイリーニュース3月20日

開幕しましたSKIPシティ国際Dシネマフェスティバル。世界初のDシネマ映画祭の期間中の様子をお届け致します。

岡村幸四郎川口市長
13時よりオープニングセレモニーが始まり、SKIPシティ国際映画祭実行委員会副委員長である岡村幸四郎川口市長の挨拶により映画祭の幕が開きました。



16人の監督方
そしてDシネマ国際コンペティションにノミネートされ、SKIPシティにご来場頂いた16人の監督方に登壇頂いたところで、観客からの大きな拍手で会場は大きな盛りあがりとなりました。



AJIそしていよいよオープニング作品『恋人はスナイパー 劇場版』の上映となるのですが、ここで意外なゲストが登場。そのゲストは、『恋人はスナイパー 劇場版』の主題歌「ONE MORE TIME」を歌っているヴォーカルグループAJI。挨拶代わりに先ずは「ONE MORE TIME」を歌って頂き、AJIがこの主題歌に込めた思いを語って頂きました。



佐々木基プロデューサー
リーダーの橘さんによれば、『恋人はスナイパー 劇場版』を見て主題歌を制作し、映画の持つ切ないムードを詞と曲に盛りこみ、AJIの持つコーラスワークで、その切なさを感じて欲しいとのことでした。AJIのコーラスを堪能した後は、六車俊治監督と佐々木基プロデューサーに登場頂く予定だったのですが、朝から降り続く雪の影響で六車監督は、残念ながら会場に到着できませんでした。



佐々木プロデューサーにお話を伺う前に、主演の内村光良さんと水野美紀さんのビデオメッセージが上映され、内村さんは「テレビ番組収録のため映画祭の会場に行けないのが残念ですが、テレビでシリーズの完結編として製作されたこの映画の感想を、公式ホームページ(http://www.sniper-movie.com/)のBBSに是非書き込んで欲しい。そして昨年の夏に汗だくで撮影したこの作品の見所は、西村京太郎さんの原作を元に前半展開されるサスペンスと後半の派手なアクションシーン、そしてラストシーンを楽しみにしてほしい」とのことでした。

水野さんからは、「派手なアクションが見所の『恋人はスナイパー』シリーズは映画で完結します。西村京太郎さんの原作をアレンジした物語とアクションを楽しんで欲しいと思います。ゆっくりご覧下さい」とのこと。佐々木プロデューサーによれば、水野さんはアクションシーンの撮影の際にはワイヤで吊られ痣だらけになり、内村さんは主演だけでなく演出協力としてもクレジットされているように、ほとんどの現場に参加し献身的に映画を支えられたそうです。そして、多くの人の気持ちが詰まった作品の「応援をお願いします」という言葉で締めくくられました。
『恋人はスナイパー 劇場版』は4月17日より全国公開されますので、今回見逃された方は是非映画館でご覧下さい。

ここで、SKIPシティDシネマフェスティバル公認「みんなのDシネマレビューレビュー」のお知らせです。このサイトは、映画祭にご来場頂きコンペティション作品をご覧頂いた方々の感想を投稿頂くサイトです。どの作品も最初にコメントを投稿して頂いた方にはモレなくIDCF賞としてIDCFバッジを、コメントを投稿して頂いた方の中から抽選で各部門1名様にPTP賞としてPTP・Tシャツがプレゼントされますので奮ってアクセスして下さい。レビュー投稿の方法は下記の通りです。

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それでは、SKIPシティDシネマフェスティバルへのご来場お待ちしております。

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