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【デイリーニュース】Vol.17 『地球星人(エイリアン)は空想する』松本佳樹監督、中村更紗、村松和輝、北林佑基監督補佐Q&A

UFOの街を舞台にした宇宙人による誘拐事件から一転、社会派エンタメに変わる異色作

地球星人(エイリアン)は空想する』(左から)出演の中村更紗、監督補佐の北林佑基、松本佳樹監督、出演の村松和輝

 

国内コンペティション長編部門出品作『 地球星人(エイリアン)は空想する』は、「大学生がエイリアンによって誘拐された事件」の嘘を暴こうとする雑誌記者が意外な真実を見つけ出す異色エンターテインメント。7月18日(火)多目的ホールでの17時30分の上映後、松本佳樹監督、監督補佐の北林佑基、出演の中村更紗、村松和輝がQ&Aを行った。

 

主人公は正義感が強く、嘘を憎む雑誌記者(田中祐吉)。「UFOのまち」石川県羽咋市で起きた「大学生エイリアンアブダクション事件」のネタが舞い込み、その嘘を暴こうと取材すると、社会の闇にたどり着く……。空想とは何か? 真実とは何か? を観客に突きつける。SFのようなパッケージ感だが、社会派エンタメに急展開していくのが魅力となっている。

 

松本監督は神戸芸術工科大学映像表現学科映画コースで石井岳龍監督の下で学び、卒業後は就職して働きながら映画を製作。2022年から上京し、友人と映像制作団体「世田谷センスマンズ」を発足し、編集を中心に活躍している。長編デビュー作となる本作では脚本、編集、エイリアンや宇宙文字のデザインをはじめとした美術、撮影も手掛けた。

 

松本監督は「監督補佐の北林は大学時代からの友人で俳優もやっている。今回主役を務めた田中さんが『石川県を舞台にした映画を作るため、監督を探している』と教えてもらったのがきっかけ。石川県を調べている中で羽咋市がUFO のまちとして売り出していることを知って、非常に面白いなと思いました。最初は短編を考えていたんですが、発想が広がりすぎて、長編になってしまったんです。だから、大赤字です」と冗談めかして話す。

 

美術デザインにも凝っており、特殊効果も多用しているが、現場は出演者のほか、撮影スタッフはほぼ3人という少数精鋭。UFOのまちを出発点に、宇宙人による誘拐事件、奇妙な宇宙文字のナゾ、宗教事件など次々と飛躍していく展開には「雑誌の『ムー』的な世界観が面白かったが、よく意味が分からなかった」という率直な感想も飛び出した。

 

出演者の中村は「最初にこの脚本を読んだ時は壮大すぎて想像がつかなかったが、完成した作品を見て、すごいなと思ったし、この作品が好きだと思えた。ぜひ配信などでもう1 回見ていただきたい」。村松は「(スケールが大きかったので)撮れるものなら、撮ってみろ、松本さんはいくらお金を持っているのだろうと思いました。分からないところはあるが、すごい映画。現場はスタッフが3人しかいなかったが、こんな作品が撮れてしまうんだと思った」と感心しきりだった。

 

最後に、松本監督は「複雑な作品で、映像効果も多く、目も疲れたと思いますが、分からないことを楽しんでほしい。1回目で完璧に分かる人は絶対にいないだろうと思いながら作っています。分からないながらも感想を教えていただければ嬉しいです」とアピールした。

 

地球星人(エイリアン)は空想する』の次回上映は、7月22日(土)15時40分から映像ホールで行われ、松本佳樹監督と出演の山田なつき、アライジン、町田英太朗によるQ&Aも予定されている。オンライン配信は7月22日(土)10時から7月26日(水)23時まで。

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