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2019 総括

 

第16回を迎えたSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019は、7月13日(土)~21日(日)の9日間、埼玉県川口市のSKIPシティほかにて開催し、世界各国から厳選したコンペティションに加え、特集上映や関連企画など、多種多様なプログラムを上映しました。

 

本年のオープニング作品は、2018年に大ヒットを記録した『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督と、同作にスタッフとして参加した浅沼直也監督、中泉裕矢監督が共同で手掛けた『イソップの思うツボ』を劇場公開に先駆けてワールド・プレミアで上映しました。3名はそれぞれ本映画祭で過去にノミネートや受賞を果たしている期待の新鋭。本作は若手映像クリエイターの発掘・育成を掲げる本映画祭のオープニングにふさわしく、埼玉県とSKIPシティ彩の国ビジュアルプラザの支援事業として製作されました。舞台挨拶には3監督のほか、石川瑠華、井桁弘恵、紅甘、斉藤陽一郎、佐伯日菜子ら出演陣も登壇し、映画祭の幕開けを華やかに飾りました。

 

本映画祭の中核であるコンペティションは、国際コンペティション、国内コンペティション(長編部門、短編部門)で構成されており、本年は92の国と地域から合計861本の応募がありました。その中から厳正な審査によって選ばれた国際コンペティション10本、国内コンペティション長編部門5本、同短編部門9本を上映。国際コンペティションの全作品と国内コンペティション長編部門の4作品、同短編部門の4作品が日本初上映となり、監督やプロデューサー、出演者などゲストも多数来場。観客の皆様からの質問に直接答えるQ&Aに登壇し映画祭を盛り上げました。
また国際コンペティションの審査委員長には三池崇史監督、国内コンペティションの審査委員長には荻上直子監督と、第一線で活躍する映画監督の両名を迎えました。映画の未来を担う若手監督には大きな刺激となったのではないでしょうか。

 

 

 

本年の特集上映は「トップランナーたちの原点」と題し、ジョージ・ルーカス、クリント・イーストウッド、スティーヴン・ソダーバーグ、三池崇史といった、国内外で高く評価され、映画史に名を刻む巨匠監督4名の才気溢れる貴重なデビュー作を上映しました。『恐怖のメロディ』(クリント・イーストウッド監督)上映後には「午前十時の映画祭」事務局員の岡村尚人氏、『新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争』(三池崇史監督)上映後には三池崇史監督と主演の椎名桔平氏、プロデューサーの土川勉(本映画祭ディレクター)によるトークイベントを開催。当時の社会背景や撮影秘話を交えたお話を伺えた貴重な機会となりました。
また、日本語字幕・音声ガイド付きのバリアフリー上映では、『カメラを止めるな!』を上映。SKIPシティで撮影も行われた話題作とあって、多数のお客様にご来場いただきました。

 

関連企画では、恒例の企画に加え、新たな試みも行いました。彩の国ビジュアルプラザが実施する映像学習プログラムや、川口子ども映画クラブが制作した作品を上映した「カメラクレヨン」、赤ちゃん連れでも気兼ねなく映画を楽しめる「ママ・シアター」のほか、彩の国ビジュアルプラザを拠点に活動するクリエイターの作品を上映した「メイド・インSKIPシティ」では、新企画として180°円周魚眼レンズで撮影された作品を半球型スクリーンで鑑賞するドーム映像版の上映も実施し、進歩し続ける映像技術を身近に体験できる、SKIPシティの映画祭ならではのプログラムとなりました。さらに「埼玉関連映画上映」と題した企画ではJR川口駅前にある映像施設メディアセブンを会場に、埼玉県内で撮影された2作品を上映し、ともに満席となる賑わいを見せました。

 

最終日の7月21日(日)にはクロージング・セレモニーを催し、コンペティション各賞の発表・授与を行いました。国際コンペティションでは、本映画祭の16回の歴史の中で初めて長編アニメーション作品としてノミネートした『ザ・タワー』(ノルウェー、フランス、スウェーデン/マッツ・グルードゥ監督)が最優秀作品賞(グランプリ)と観客賞をW受賞する快挙を果たしました。国内コンペティションでは長編部門の優秀作品賞に『サクリファイス』(日本/壷井濯監督)、短編部門の優秀作品賞に『遠い光』(日本/宇津野達哉監督)が輝きました。また、国際コンペティション、国内コンペティションを通じた日本作品を対象として、今後の長編映画制作に可能性を感じる監督に対して授与するSKIPシティアワードには『ミは未来のミ』(日本/磯部鉄平監督)が選出され、磯部鉄平監督は昨年の国内コンペティション短編部門で優秀作品賞を受賞した『予定は未定』に続き、2年連続の受賞となりました。

 

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019の総来場者数は、49,020名となりました。本映画祭は、これからも次代を担う才能を発掘する若手映像クリエイターの登竜門として、また映画を通して新しい世界と出会える場となるよう、一層の発展を目指してまいります。


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