ニュース

レポート

プレスリリース

ニュース

【デイリーニュース】vol.05 『とおいらいめい』大橋隆行監督、吹越ともみ、田中美晴 Q&A

世界の終焉にゆったりと紡がれる三姉妹の絆

左から田中美晴、大橋隆行監督、吹越ともみ『とおいらいめい

 

国際コンペティション部門で唯一の日本映画『とおいらいめい』(8月27日、池袋シネマ・ロサでレイトショー公開)は、本映画祭がジャパンプレミアとなった。人類の滅亡が数カ月後に迫った2020年を舞台に、家族の再生を描く。『ベイビーわるきゅーれ』(阪元裕吾監督)で注目の新進女優・髙石あかりが主演している。

 

メガホンを取ったのは、『押し入れ女の幸福』(13)で2014年の短編コンペティション部門最優秀作品賞を受賞した大橋隆行。彗星による終末ドラマではレオナルド・ディカプリオ主演の『ドント・ルック・アップ』(Netflix製作)などがあり、コロナ禍での世界を思わせるが、企画されたのはコロナ禍以前。撮影監督の長谷川朋史による同名戯曲が原作になっている。

 

「普段はブライダル業界の映像撮影で長谷川さんと一緒に働いています。長谷川さんにはご自身の戯曲を映像に残したいという思いがあったそうで、2018年に僕の作品を見て、声をかけていただきました。舞台からはだいぶ設定などを変えさせていただきましたが、家族になっていくという部分は守っています」と明かす。

 

物語の舞台は彗星の衝突により人類の滅亡が数カ月後に迫った2020年。小学生だった1999年にノストラダムスの予言を信じて家出したことがある長女・絢音(吹越ともみ)と次女・花音(田中美晴)、その後生まれた異母妹の音(髙石あかり)が、初めて3人で生活することになるというストーリー。

 

「これまでも僕は、別れを意識した人たちがどう生きていくかを描いてきました。皆さんはそういうことを考えないのかなとずっと思っていたんですけど、今はコロナ禍やウクライナ問題などがあるので、身近に感じてもらえるのではないか」と話す。

 

2020年3月に岡山県瀬戸内市でクランクインしたが、コロナ禍での長い中断も。「1週間ぐらい撮影して、関東に帰ってきたんですけど、緊急事態宣言に入ってしまい、撮影できなくなりました。スタッフ間で話し合った結果、年末に持ち越こすことになりましたが、ロケ地探しなどを行い、ゆっくりと作品について考えることができたので、いい時間になったと思っています」。

 

映画は、三姉妹や少女時代を演じた子役たちとのアンサンブルも見どころ。長女役の吹越は「コロナ前の撮影では本当に合宿のような感じだったので、自然と距離を縮めることができました」。次女役の田中も「おのずと距離感も縮まって、お料理も一緒にやったり、吹越さんは率先して料理をやってくださって、本当におねえちゃんのようでした」と振り返っていた。

 

最後に、大橋監督は「オンラインとのハイブリッド上映をやっている映画祭でいうのはなんですが、大きなスクリーンでシネスコサイズの映像と音を感じてほしいです。三姉妹とともに美しい瀬戸内の景色とゆったりと流れる時間を味わっていただけば」とアピールした。

 

とおいらいめい』の次回上映は7月21日(木)10時30分から多目的ホールで行われ、ゲストによるQ&Aも予定されている。オンライン配信は7月21日(木)10時から7月27日(水)23時まで。

 


TOP