7.23 (水) コンペティション
ラッキー・ストライク
Lucky Strike
- 上映日時
- 7/23(水)10:30 映像ホール
亡き友の母のもとへ―
止まっていた時間が再び動き出す夜、その先に見えたものは
『山のあなた』『そして、今日も生きる』『水底のミメシス』『ラッキー・ストライク』は4作品同時上映
©The Black Screen Brigade
監督:星野有樹
出演:希志真ロイ、下総源太朗、鈴政ゲン、仁科貴、上村正子、酒向蒼太郎、武内凛太郎
2025年 / 日本 / 31分
4年前に亡くなった友人の死を、彼の母に伝えられずにいた潤。ある夜、知人の助けを借りて、ついに重い責任と向き合う決意をする。現実と幻想の狭間に揺れる旅路を交錯させながら進む物語は、人生の「打率」をめぐる対話や、記憶に宿る風景を織り交ぜ、観る者に深い余韻を残す。軽快な音楽とともに挿入される二人の無言のキャッチボールは印象的で、やがて明かされる真実が静かに胸を打つ。監督・脚本・撮影・照明・録音・編集を全て一人で担った星野有樹監督が、野球をテーマに家族の愛と絆を描き出し、何度も見返したくなる豊かさと完成度を備えた短編に仕上げた。軽妙な会話の中に生と死、過去と現在が折り重なり、観客の心に確かな余韻を刻む。本映画祭での上映がワールド・プレミアとなる。
監督:星野有樹
1973年生まれ。大学卒業後独学で映画撮影を学ぶ。撮影監督としてキャリアをスタートし、2002年『すべては夜から生まれる』(甲斐田祐輔監督)で初の商業映画の撮影を担当。2007年短編映画『心の風車』で初監督。主な作品として『ABOUT ASHES』(モノクロ/24分/2021年)『アイム・オール・ライト』(カラー/182分/2024年)がある。
メッセージ
私には自分の尊厳と正気を保つ為に、映画を作っているようなところがあります。過去の偉大な先輩監督たちは、私に映画というメディアは、人間の一番良い部分を掬い取るのに適した芸術だということを教えてくれました。願わくば、私の映画を観てくれた人たちが、私と同じように自分の尊厳と正気を保ってくれますように。人類にはまだ希望があるし、人間だって結構素敵な生き物なのだということをこれからも映画製作を通して描いていきたいと思っています。