海外招待作品

火山のふもとで
Under the Volcano

上映日時
7/19(土)14:10 映像ホール
観光客から一転、難民の立場となった家族
孤立、不安、そして互いの葛藤に直面していく

<トロント国際映画祭センターピース部⾨ ノミネート作品>

© Lizart Film, Hawk Art, MGM, TVP

監督: ダミアン・コツル
出演:ソフィヤ・ベレゾウスカ、ロマン・ルツキー、アナスタシア・カルピエンコ、フェードル・プガチョフ、マイク・メンサー

2024年 / ポーランド / 105分

 

火山の島として知られるスペイン・テネリフェ島を訪れたウクライナ人家族。父と継母、姉弟の4人は、休暇の最終日を穏やかに過ごしていた。しかし翌朝、ロシアによるウクライナ侵攻によりフライトがキャンセルされ、彼らは島に取り残されてしまう。のんびりとした観光地の空気の中、手元のスマートフォンには、緊迫した祖国の様子が届く。観光客だった彼らは一夜にして難民となり、孤立、不安、恐怖、そして互いの葛藤に直面することを余儀なくされる。姉ソフィヤを演じるソフィヤ・ベレゾウスカは、10代ならではの危うさと揺らぎを、自然体の演技で見事に表現している。ポーランド人のダミアン・コツル監督は、「社会的・政治的な文脈の中で、重要なことを語る責任が映画作家にはある」と語る。長編第2作目となる本作は、トロント国際映画祭でのワールドプレミアを経て、第97回アカデミー賞国際長編映画賞部門(旧外国語映画賞)におけるポーランド代表に選出された。


監督:ダミアン・コツル

©by Damian Kocu

監督:ダミアン・コツル

監督・脚本家・撮影監督。ポーランド国立映画大学博士課程に在籍中。短編作品が数多く国際映画祭で受賞している。初長編作品『BREAD AND SALT(パンと塩)』(22)は、ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門で審査員特別賞を受賞し、カイロ国際映画祭、アンタルヤ国際映画祭、コトブス映画祭などでも高く評価された。最新の短編作品『AS IT WAS』(23)は、カンヌ国際映画祭で短編パルム・ドールにノミネートされた。

メッセージ

問いかけは、「私たちは本当に安全なのか?」というものです。世界は、今ほど「火山の噴火」に近づいたことはありません。けれど、私たちはどこかで「自分の生きている間には噴火など起きない」と信じて、眠りについています。未解決の社会的対立や気候変動の問題は、次の世代に押しつけられたままです。どこかで私たち全員が、この緊張感と対立の危機が世界のいたるところに存在していることを、肌で感じているのではないでしょうか。


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