7.24 (木) コンペティション
夏休みの記録
Record of a Summer Holiday
- 上映日時
- 7/24(木)10:30 映像ホール
異なる文化や慣習の中で生きる姉弟と母親たち
共に学ぶ姿を追ったドキュメンタリー
©2024 Jun Kawada
監督: 川田淳
2025年 / 日本 / 95分
戦争やハンセン病といったテーマを、個人に寄り添い記録してきた映像作家・川田は、近隣のクルド人家庭を訪れ、日本語学習支援を行い交流してきた。本作は川田が交流する家庭で姉弟が夏休みの宿題に取り組み、母親たちが日本語を学ぶ、ひと夏の姿を記録したものである。文化や慣習も異なる中、日本語を勉強しながらたわいもない会話を交わし、共に過ごす。そんな小さな時間の積み重ねの中に、メディアで報じられる記号的な存在ではなく、目の前の隣人として出会った彼らの姿が描かれる。プライバシーに配慮し、手元のみの撮影にも関わらず、子供たちや母親たちの生き生きとした表情が伝わってくる。本映画祭での上映がワールド・プレミアとなる。
監督: 川田淳
1983年埼玉県生まれ。2007年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。沖縄で戦没者の遺骨を掘り続ける男性の手伝いをし、遺留品の遺族を探し求める作品『終わらない過去』(15)、中国と沖縄で戦争体験をした元日本兵の証言を記録した作品『生き残る』(17)、ハンセン病回復者の方と追い出された故郷や隔離されていた施設を共に訪れた『石山さん』(19)などを制作。
メッセージ
近年クルド人に関する報道が加熱し、メディアやSNSでは対立が生じ、地域では軋轢も起きている。私は近所の在日クルド人らと交流し、日本語学習支援などをしてきた。本作はその交流の記録であり、何か特別な出来事が起きるような映像ではない。文化や慣習も異なる中、日本語を勉強しながらたわいもない会話を交わし、共に過ごす―そんな小さな時間の積み重ねの中に、コミュニティの可能性を見出したい。