7.23 (水) コンペティション
長い夜
LONG NIGHT
- 上映日時
- 7/23(水)17:00 映像ホール
夜の闇が明けることはあるのか―
揺れる心と向き合いながら進む、葛藤と再生の物語
Yui Kusakari©
監督:草刈悠生
出演:原田光一、笠原一輝、黛果歩、和田紗也加、後藤健太
2025年 / 日本 / 116分
二年前の夏の夜、カイが海の中に消えていった。カイの恋人だった真理と、カイの親友だった光一。大きな喪失を抱えた二人は、現在では支え合いながら静かに日常を取り戻そうとしている。しかし、ある再会をきっかけに、それぞれの心に押し込めていた感情が揺らぎ始める。繊細な映像と静かな語り口で綴られる本作は、残された者たちの心のざわめきと、宙吊りのような時間の感覚を丁寧にすくい取っていく。抑制された演技と構図の妙が光り、若き才能が紡ぎ出す脚本と表現力の高さは、観る者を思わず惹きつける。夜の闇が明けることはあるのか―。日本大学芸術学部映画学科在学中である草刈悠生監督の初長編作品にして、現代に生きる若者たちの孤独と希望をそっと照らす意欲作。本映画祭での上映がワールド・プレミアとなる。
監督:草刈悠生
2003年東京都生まれ。高校生の時に観た濱口竜介監督作『ハッピーアワー』(15) に感銘を受け映画監督を志す。日本大学芸術学部映画学科でシナリオを学んでいる。映像と音楽のアート集団「灯台守」に所属。本作『長い夜』 が初長編監督作となる。
メッセージ
夜になろうとも、朝は必ず来る。「夜明け」という言葉はその普遍性からしばしば希望の比喩として用いられる。しかし、本当にそうなのだろうか。もし、夜が明ける前に世界が終わってしまったら。もし、この長く暗い夜の孤独に耐えることができなかったら。本作『長い夜』は普遍的な物事の手前に踏みとどまり、問いかけ、模索した映画です。多くの方にスクリーンで観ていただけることを楽しみにしております!