国際コンペティション

イントゥ・ジ・アイス
Into the Ice

上映日時
7/16(日)13:50 多目的ホール
7/19(水)17:00 映像ホール
配信日時
7/22(土)10:00 ~ 7/26(水)23:00
知られざる氷河の内部の世界。
気候変動の問題に挑む科学者を追ったドキュメンタリー。

監督のラース・オステンフェルトは、3人の科学者によるグリーンランドの氷河の実態調査に同行する。彼らは氷の決壊や猛吹雪といった死と隣り合わせの状況の中で、地球温暖化の問題を読み解くためのデータを集める。

©Lars Ostenfeld

監督:ラース・オステンフェルト

2022年 / デンマーク、ドイツ / 86分

 

本作は地球温暖化への警鐘を鳴らす気候ドキュメンタリーであることに間違いないが、それ以上に二人の氷河学者アラン・ハバード、ジェイソン・ボックス、そして古気候学の教授ドーテ・ダール・イェンセンという、三人の真の英雄についてのドキュメンタリーとなっている点が素晴らしい。例えば、ハバードの調査に同行したオステンフェルト監督が氷の溝の縁付近で転倒するシーンなどはホラー映画以上に背筋が凍る思いがするが、氷河学者たちはまるで氷と遊んでいるかのように雪を掘り続け、氷の溝の内部深くへと下っていく。彼らの人間としての魅力こそが、本作最大の見どころとなっている。また、ボックスの調査に雪氷学のスペシャリストとして日本人の庭野匡思が同行している点も興味深く、彼がテントの中でインスタントラーメンを調理し、「日本人にとって、おいしいラーメンを作ることはとても大切なこと」と語るシーンはなんとも微笑ましい。


監督:ラース・オステンフェルト

©Caspar Haarløv

監督:ラース・オステンフェルト

自然科学ドキュメンタリーにおいて長年の経験をもつ。最近では、デンマーク公共放送DRの自然シリーズ“Wild”、“Wonderful Denmark”、ドキュメンタリー『Tracking the Wolf』を監督。DRとTV2ではルンドベック基金、The Pain Experiment、Nature Liveの協力で制作された“Ph.D. Cup”など、受賞歴のある作品に関わっている。DTU Spaceとニールス・ボーア研究所の天体物理学者アンニャ・C・アンデルセンと共に、ライブストリーミングカメラを搭載した気球を使い、宇宙から360度のライブ映像を初めて送信したDR制作“Live from Space”に携わった。また、気候サミットCOP22の期間中に200台のテレビ画面に直接配信された“The Polar Bear Live”や、海底40メートル、沖合100キロの北海底の潜水艦からライブ中継された“Live from the Depths”も制作した。

メッセージ

極めて感覚的な映画を作ることが私の長年の野望でした。本作を見た観客が、氷をより身近に感じ、そのために闘おうという気持ちになってくれることを願っています。


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