国際コンペティション

助産師たち
Midwives|Sages-femmes

上映日時
7/17(月・祝)14:20 映像ホール
7/19(水)14:20 多目的ホール
配信日時
7/22(土)10:00 ~ 7/26(水)23:00

本作は作品権利上の都合により、オンラインでの視聴回数には制限があります。映画祭期間中であっても、再生回数が500回に達した時点で配信終了となります。予めご了承ください。

戦場のような喧騒の病棟で、助産師たちは
生まれてくる命に日々祈りを捧げ続ける。

5年間の修学を経たルイーズとソフィアはついに、「世界で最も美しい仕事」と言われる助産の仕事に就く。しかし現実には、幼子の命を預かるストレスとオーバーワークによる疲労が、二人に大きくのしかかる…。

©Geko Films

監督:レア・フェネール
出演:ハディシャ・クヤテ、エロイーズ・ジャンジョー、ミリエム・アケディウ、クエンティン・ヴェルネード、タリク・カリウー

2023年 / フランス / 100分

 

理想と現実の狭間で葛藤する二人の新人助産師を中心に、人生の苦さと生命の美しさを描くこの重厚な群像劇は、今年のベルリン国際映画祭パノラマ部門でワールド・プレミアされた。本作が長編3作目となるレア・フェネール監督は、2012年に日本でも劇場公開された初長編作品『愛について、ある土曜日の面会』(09)がヴェネツィア国際映画祭ヴェニス・デイズ部門に選出され、セザール賞新人監督賞ノミネート、ルイ・デリュック賞で新人監督作品賞を受賞している。俳優陣も、これまでに何度となくリメイクされてきた『危険な関係』のNetflix版にも出演したエロイーズ・ジャンジョーを筆頭に、フランスの若手実力派たちが見事な演技で作品にリアリティを加えている。なお、まるでTV「ER」のように病棟を縦横無尽に動き回るスピード感溢れる撮影は、昨年の本映画祭グランプリ『揺れるとき』(21)のジャック・ジローが担当している。


監督:レア・フェネール

監督:レア・フェネール

1981年10月15日フランスに生まれる。フランスの国立映画学校La fémisで映画制作と脚本を学ぶ。初監督作品『愛について、ある土曜日の面会』(09)は2009年のヴェネツィア国際映画祭やドーヴィル・アメリカ映画祭をはじめ、数々の映画祭に入選。ルイ・デリュック賞新人監督賞を獲得、セザール賞にもノミネートされた。長編第2作『Les Ogres』(16)は2016年のロッテルダム国際映画祭で受賞。その後、2022年サンセバスチャン映画祭に入選したディナラ・ドルカロヴァ監督の『Woman at Sea』など、複数の作品の脚本に関わる。本作は監督第3作である。

メッセージ

12年前、私は母親になり、最初の子どもには健康上の問題がありました。それ以来、息子とその父親と病院で過ごすことが多くなり、人間関係も大きく変化しました。不幸な巡り合わせか、今日の病院を取り巻く悲惨な状況か、あるいは受け入れがたい残酷な経験か、何の因果かは分かりませんが、私たちは注意不足、虐待的な反応、孤立無援の瞬間に苦しみ、不当な子供扱いや切り捨てを感じたことがあるのは事実です。そのような経験を理解するために、映画監督という立場を使って、その世界に入り込み、ケアをする側の実態を見てみたいと思いました。彼らは、魔術師でも神託者でも荒ぶる神でもなく、苦悩と痛み、死と生に対峙する人間たちです。彼らも、ぞんざいに扱われる医療制度、悪化する労働条件、常にのしかかる経営管理などと格闘しなければなりません。運命の悲劇と毎日向き合う職業を選んだという厳しい事実から逃れることはできないのです。


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