真実の愛を求め、さまよう男と女。
苦く切ない大人のラブストーリー。

親が決めた結婚を控えたトルコ人のジェマルは、親戚に連れられ、独身最後に羽目を外すためのウクライナ旅行に出かける。クラブで出会ったサーシャに誘われるがまま部屋を訪れるが、彼女には別の思惑があった。

監督：マリナ・エル・ゴルバチ、メフメト・バハドゥル・エル
出演：ウスハン・チャクル、ヴィクトリア・スペスィヴセヴァ、オリーナ・シュテファンシュカ、マルガリータ・コチェレヴァ、ギュヴェン・クラチ、メフメト・バハドゥル・エル

2013年 / ウクライナ、トルコ / 90分

 

2014年の本映画祭長編部門（国際コンペティション）ノミネート作品である本作は、キーウを舞台にウクライナ人女性とトルコ人男性が出会い、言葉が通じないながらも互いに心を通わせようとしていくビタースウィートな恋愛ドラマ。トルコから買春ツアーにやって来る男性、警察の腐敗など、社会問題も織り込まれた深みのある作品に仕上がっている。随所に映る人々の日常生活や、美しいフレシチャーティク大通りの風景など、いま改めて目にすると複雑な感情も湧き上がってくる。夫婦でもあるマリナ・エル・ゴルバチ監督、メフメト・バハドゥル・エル監督は、長編デビュー作『黒犬、吠える』（09）が第38回ロッテルダム国際映画祭をはじめ各国の映画祭で上映された。ゴルバチ監督の最新作『Klondike』（22）は第38回サンダンス映画祭ワールドシネマ・ドラマティック部門監督賞、第72回ベルリン国際映画祭パノラマ部門エキュメニカル賞を受賞している。